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イライラ、不安感、不眠など

気分障害(うつ状態)

<概要>

 日常生活では、気分が高揚したり、落ち込んだりすることは、誰もが経験することである。しかし、その気分が一定期間以上持続した場合を気分障害と判断されるようです。

 気分障害には、気分が高揚する“躁状態(躁病)”、気分が落ち込む“うつ状態(うつ病)”、躁状態とうつ状態を繰り返す“双極性障害”などがあります。

<参考:新版 東洋医学臨床論>

<東洋医学(中医学)>

 精神的抑鬱・情緒不安定・よく怒ったり泣いたりする・咽中が異物で塞がれたような感じがある・不眠など、さまざまな症状がみられることを、鬱証といいます。

 この鬱証は、実証と虚証に分けられ、

  実証は➀肝気鬱結、②気鬱化火、③気滞痰鬱の3つの種類、

  虚証は④憂鬱傷神、⑤心脾両虚、⑥陰虚火旺の3つ、

  実証と虚証を合わせると6つの種類があります。

<参考:[標準]中医内科学>

うつ病

女性20代

5年前の春頃、メンタルクリニックでうつ病と診断された。薬を飲んで症状が落ち着いていたのもあった。しかし4週間前から、ゆううつな気分がなくならない、朝ベッドから起き上がれない、仕事に集中できない(頭にモヤがかかったような)などの状態になり、また以前だったらすぐできたことが、今は時間がかかるようになった。会社には1週間に1回出社し、あとは在宅にしてもらっている。現在、抗うつ剤をかえて3週間経つが症状に変化がみられない。

症状が悪化するときは、急に悪化する。また、吐き気を及ぼすこともある。症状が落ち着くときは薬が合ったときであり、週に2~3回?あるくらいである。

その他、体表観察(舌・脈を望胗、お腹と背中や手・足の重要な経穴を切診)を確認して、気鬱化火と証を立てました。また、経過をPHQ-9(PatientHealthQuestionnaire-9)日本語版(2018)※を使用し評価した。

1診目:施術前(PHQ-9※=19/27)

 左手に鍼を1本、7分置鍼

2診目(1週間後):施術前(週1回しか行けなかった会社に週4日行けた)

 右手に鍼を1本、15分置鍼

3診目(3週間後):施術前(PHQ-9=5/27、2診目以降会社に週5日行けた)

 左手に鍼を1本、15分置鍼

4診目(2週間後):施術前(PHQ-9=3/27、1日3回の抗うつ剤が2回に減った)

 左手に鍼を1本、15分置鍼

◎会社にも行けるようになり、ゆううつな気分も落ち着いた一症例になります。

※PHQ-9(PatientHealthQuestionnaire-9)日本語版(2018)

うつ病の有無や重症度を評価するための自己記入式質問票です。過去2週間の気分や行動に関する9つの質問に答えることで、うつ病の可能性やその程度を測定します。

0~4点を「なし」、5~9点を「軽微~軽度」、10~14点を「中等度」、15~19点を「中等度~重度」、20~27点を「重度」とするようです。

うつ病

男性40代

主訴は、半年前の春頃、突然“胸の辺りの詰まり、違和感、息苦しい、意欲が出ない”などの症状がでたとのこと。それから4ヶ月後、病院にいったところ、うつ病と診断された。仕事を休み、漢方薬を処方され3か月間服薬したところ、症状に変化はなく、肝機能障害となったため服薬をやめて、患者さんの紹介により当院に来院された。

当院では、今回の症状は朝起きてから悪化するのか、またはよくなる時はどうなのかなどを確認をし、その他、特徴的なこととして、夜中は1時間に1回目が覚めるとのこと。東洋医学による証を肝鬱気滞による症状と考えた。また、経過をPHQ-9(PatientHealthQuestionnaire-9)日本語版(2018)※を使用し評価した。

初診は、PHQ-9は5/27であり、右手に鍼を1本置鍼しました。

2診目(5日後):症状に変化はないとのこと。背中に鍼を1本置鍼しました。

3診目(5日後):よくなってきたとのこと。夜は眠られるようになってきたとのこと。背中に鍼を1本置鍼しました。

4診目(7日後):施術前にPHQ-9は2/27、今一歩踏み出せないとのこと。背中に鍼を1本置鍼しました。

6診目(14日後):施術前のPHQ-9は1/27、もう一歩であり、意欲が出始めてきたようです。夜中の目覚めも2~3回に減ったとのこと。肝機能数値は平常値に戻ったとのこと。背中に鍼を1本置鍼しました。

9診目:仕事への意欲が出てきて働き始めだしたとのこと。手に鍼を1本置鍼しました。

◎肝機能も戻り、仕事への意欲も出てきて、寝れるようにもなった一症例になります。

※PHQ-9(PatientHealthQuestionnaire-9)日本語版(2018)

うつ病の有無や重症度を評価するための自己記入式質問票です。過去2週間の気分や行動に関する9つの質問に答えることで、うつ病の可能性やその程度を測定します。

0~4点を「なし」、5~9点を「軽微~軽度」、10~14点を「中等度」、15~19点を「中等度~重度」、20~27点を「重度」とするようです。

不安感が強くなると下痢になる

30代後半

はじめて不安が強くなると下痢や腹痛が起こるようになったのは、小学生の頃、旅行でトイレに行けなかったことがあり、中学生では、静かな場所や昼食後は不安感が強くなって腹痛や下痢、そのため修学旅行もいかなかった。

それから20代の頃就職し、店舗にいる時は特に問題はないが、誰かとどこかへ外出すると下痢が起こる。30代半ばまでは調子が良かったが、その後転職してからは、日常生活は普通に送れているが、時々トイレが無いところに行くと下痢が再現される。そのためかここ1年不安感が強くなった。また、今年の9月は何に不安になっていることがわからないことがある。

現在は出かける時が迫ってくると下痢をする。仕事より、楽しいはずの旅行に出かける方が強い。

<増悪因子>

 ➀不安感(特にトイレの位置がわからないと) ②睡眠不足(体調不良になる) ③仕事のストレス(最近の転職) ④焼肉とアルコールを摂り過ぎると

<緩解因子>

 ➀トイレの位置がわかる ②睡眠をとる ③温まると安心する

※気を紛らわせることをするが不安には負ける

この他、東洋医学の視点から生活状況(睡眠や月経、食生活、お通じなど)をお聞きし、体表観察をした。不安感が強くなるのは、心血が不足しているから起こると考えた。

初診:左手と左足に1本ずつ鍼をし、10分置鍼した。

2診目(初診より7日後):患者様より〝トイレを気にしなかった〟とのこと。左手と左足に1本ずつ鍼をし、20分置鍼した。

3診目(2診目より30日後):患者様より〝ずっと調子が良かったが、高速道路で長く車に乗る時があり、そのときはお腹を壊した。また咽が詰まる感じがある〟とのこと。左手と左足に1本ずつ鍼をし、30分置鍼した。施術後、「咽が詰まる感じはなくなった」とのこと。

4診目(3診目より14日後):患者様より〝風邪をひいたとのこと〟右手と右足に鍼を1本ずつ20分置鍼しました。

@トイレを気にすることがなくなったが、3診目の高速道路で長く車に乗ることで外に出られない不安はあったようです。4診目ではトイレの事や下痢・腹痛のお話はなく、その後、1年以上いらしていないので、良くなったと思う一症例だと思います。

➀不眠(入眠・熟眠不調)、寝汗をかいて起きる。②背中から肩にかけて重たい。③胸が苦しい。

男性50代

整備の仕事をしていて、昨年9月のとき、職場は冷房なしで暑い中仕事をしていて、体力が落ちきているのを感じていた。仕事も多忙であり、その頃から眠られなくなった。眠るのに1時間以上かかり、1月のこの時期でも寝汗で起き、熟睡感が感じられない。はじめて眠られなくなったのは5年間のコロナ禍。その時も仕事が多忙で、整備以外に苦手なお客様の対応などでキャパオーバーとなり、眠られなくなり1カ月不調となった。そのときは、ストレッチや散歩をしたりしたところ1か月で改善した。今回も5年前と同じ状況だと思ったが、ストレッチや散歩しても改善しない。しかし、現在は眠れないとイライラするため、また来月までに何とかしたいと思い、当院に来院されました。

問診で特徴的なところは、体調がよくないとイライラして眠れない。体表観察でも舌診では舌尖紅で乾燥、背中のツボでは厥陰兪・心兪・膈兪・肝兪に実の反応があり、東洋医学の証として、肝鬱化火としました。経過を追えるよう、評価として※アテネ不眠尺度(AIS)を使用したところ12点であった。

初回は、左手に鍼を1本、10分置鍼。

2診目(初回から1週間後):来院時に施術後からの状況をお聞きすると、汗をかいて起きることがなかった、就寝して30分以内に寝ついて2時間半までトイレに起きる以外朝まで寝れた、首肩が軽くなったとのこと。前回と同じ場所に鍼を1本、15分置鍼。

@眠れるようになったとのことであるが、いつでもいらしてください、と伝えたところ、3か月以上いらしていないので、よくなった一症例だと思います。

※アテネ不眠尺度(AIS):世界保健機関(WHO)による「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠症判定法。過去1カ月に少なくても週3回以上経験した項目を選んで答える質問紙になります。24点満点で、0~3点は不眠の心配なし、4~5点は不眠の疑い、6点~以上は不眠の可能性が高いとされているようです。

鍼灸 陽和堂

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〒336-0017 埼玉県さいたま市南区南浦和3丁目46-2 マンションパール101

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